「うつは運動で消える」は、脳のメンタル面に特化して運動の重要性を説いたもので、「運動脳」のような「脳トレ」⇔「運動」の対立軸ではなく、「薬」⇔「運動」の対立軸が根底に流れている。
原題は「MOVE THE BODY, HEAL THE MIND」で、うつに限らず精神的な不調に対する運動療法の有効性を解説した本である。
簡単に言うと運動は薬と同等かそれ以上の効果があると言うことだ。
もちろん、一般的なストレス対策、仕事の改善、学力の向上にも使える。
そんな本書の読み方、メンタルの改善方法を見て行こう。
ザックリと何が書いてある?
うつをはじめ、不安・パニック、依存症、認知症、不眠、ADHD、さらには仕事や子どもの学力の改善など、幅広い分野で運動が薬以上の改善効果を持つことをわかりやすく解説し、そのためにどのような運動をすれば良いかがわかる本。
誰におすすめ?
おすすめなのはこんな人。
- うつやうつの再発防止に悩んでいる人
- 不安・パニック障害に悩んでいる人
- 依存症に悩んでいる人
- 認知症の予防をしたい人
- 不眠に悩んでいる人
- ADHDの改善に悩んでいる人
- 精神疾患系の減薬や断薬に悩んでいる人
- メンタルをもっと安定させたい人
- 子どもの学力を上げたい人
- 集中力を上げたい人
本書の目次と各章の読み方
本書の目次は以下の通り。
第1章 なぜ私たちの脳は運動したがらないのか?
第2章 体を動かすと、「不安・パニック」から解放される
第3章 うつは運動で消える
第4章 さよなら依存症 ── 飲酒、喫煙、薬物との決別
第5章 認知症を予防し、脳の若さを保つ
第6章 不眠は運動で解決できる
第7章 運動が「仕事」と「子どもの学力」にもたらす驚くべき効果
エクササイズ図解
第1章が本書の総論でありキモです。
実践のエッセンスはこの章に網羅されているので、この章だけを読んで運動を開始しても良いでしょう。
なお、実際の運動法は、僕自身が実践しているハラピー流「部屋ジョグ」をおすすめします。
第2章から第7章は各論なので、必要な部分だけ読んでも良いですが、可能であれば通しで読むことをおすすめします。
関係無いようでも、それぞれがつながっていて、意外なところで気づきがありました。
巻末のエクササイズ図解は、本文に書かれている運動方法の図解です。
本書の活用方法
本書のテーマは、2つあります。
減薬/断薬については、当然ながら担当医への相談が必要ですが、いざ減薬/断薬段階になった場合の大きな力になります。
また、治療を受けるほどではないがメンタルに不調を感じている人の役にも立ちます。
繰返し読んで(特に第1章)、無理のない範囲で実践して行きましょう。
(無理は継続の敵です)